胃のお話

皆さんは焼き肉はお好きでしょうか?私は大好きです。その中でもホルモン焼きとビールなんて究極組み合わせだと思います。上ミノなんかは最高ですね。さて、ミノは牛の4つある胃の中で、食べた草が最初に入る第一胃であることはご存知ですか?ちなみに、第二胃はハチノス、第三胃はセンマイ、第四胃はギアラと言います。

草食獣には複数の胃を持つものがいますが、代表的な動物として、ヤギ、ヒツジ、そしてシカの仲間も複数の胃を持ちます。これは、自然界では草食獣が肉食獣に襲われる可能性が高い為、ゆっくりと採食時間を取ることが出来ず、美味しい草を短時間で胃の中に詰め込む必要があると考えられます。

ウシの場合、第一胃の容積は100ℓ以上にもなりますが、たくさんの草を第一胃に詰め込んだ草食獣は、安全な場所に移動して「反芻(はんすう)」と言われる行動をします。これは第一胃に詰め込まれた長いままの草を噛み砕くために、再び口の中に戻して何度もモグモグと咀嚼してはの見込み、短くなった草を第一胃内に寄生しているバクテリアと混ぜる作業です。

反芻をしている草食獣は、非常にリラックスした状態のため、飼育係は健康である判断の一つとして観察することがあります。

バクテリアは、草に含まれるセルロースを発酵分解して、消化吸収しやすくする働きがあります。セルロースはブドウ糖が結合されたもので、草食獣はそのままの状態では消化吸収できないのですが、バクテリアの働きで結合が解かれて、ブドウ糖になったものを吸収することで栄養を得ているのです。また、発酵の際に作り出される揮発性の脂肪酸もエネルギーとなり、バクテリアは寿命を迎えて死んでしまうと、今度はタンパク質として草食獣に利用されます。(巧妙なバランスで、無駄のない消化機能だと思います)そして、人間の胃のように、消化液を分泌するのは第四胃になります。

複数の胃を持っていない動物(ウマ・ウサギなど)は、どのようにしてセルロースを分解吸収しているかと言うと、盲腸の部分に第一胃の機能を持たせているのです。

キリンも反芻をしますが、長い首を見ていると、食べたものがエレベーターのように上下するのが見えますので、ぜひ姫路セントラルパークで観察してみてください。

姫路セントラルパーク 動物部
副園長 坂出 勝