体温のお話

一般的には、哺乳類と鳥類には紅温性という体温を一定に保能力があることは知られていますが、自然界には多くの例外があるもので、全てが同じということは少ないものです。(どこの世界にも変わり者が居るものです)

例えば、ナマケモノは哺乳類であるにもかかわらず変温動物のような特徴があり、外気温によって25℃~35℃の間で体温変動があります。動物は体温を一定に保つために、餌をたくさん食べて代謝を上げる必要があり、そのために様々な能力を獲得していますが、ナマケモノは恒温性の獲得すら怠けてしまったのです。

これは、動かない事で天敵の目をあざむくライフスタイルから、1日に必要な餌(木の葉)は8g程度でまかなえるほどに特化しています。採食量を極端に減らす代償として、代謝を下げて体温が変動することを選んだのです。

たとえばナマケモノが激しい運動をすると、体温コントロールができずに体温が上がりすぎたり、蓄えられているエネルギーがすぐに不足し、死亡することもあるそうです。(まるでウルトラマンのカラータイマーレベルです。)
それと(これは私も初耳でしたが)消化機能までゆっくりなので、満腹状態でも栄養吸収が遅れて餓死してしまうこともあるそうです。

鳥類では、カッコウの体温が安定していないことが知られています。カッコウといえば「托卵」をするとりとしても有名ですが、これも体温に関係があります。托卵とは、他種の巣に卵をこっそりと産み育児をさせる一種の社会寄生といえる行動です。ヒナが他の種のヒナや卵を巣の外に押し出すシーンや、育ての親(セキレイやジョウビタキ)が自分より大きくなったヒナに餌を与えているシーンをTVなどで見たことがあると思います。(個人的にはカッコウ憎し。育ての親には、自分より大きいのに見たらわかるやん、と思ってしまいます。)これは、カッコウの夜間の体温が昼間より約10℃も低くなることから、卵を安定した温度で温めることができないからなのです。(自分の子供を育てられないのはチョット憐れな気がします。)

他にも、変温動物とされている魚類の中にも体温を一定に保っている種として、マグロは約35℃、アカウミガメは約23℃を保っています。

姫路セントラルパークにも面白い方法で体温調節をする動物がいます。サハラ砂漠にすむシロオリックスは、脳に熱くなった血液が直接入らないように工夫しています。鼻腔内に分布する網状の静脈が、鼻呼吸によって冷やされ、その静脈が脳に向かう動脈を取り巻くことで熱交換を行なっています。まるで、車のラジエーターのようですね。

姫路セントラルパーク 動物部
副園長 坂出 勝