注目すべき125通の手紙

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ショーン・アッシャー 編
創元社


あなたが、最後に手紙は、誰に宛てたものですか?
あなたが、最後にもらった手紙は、誰からのものですか?

古今東西、時代を超え、有名無名を問わず、興味深く魅力的な手紙を紹介したこの本は、外見も中身も読む場所や時間を指定するほどの存在感があります。厚さ3cm、縦28cm、重さ1.4kgの本に納められた125通の手紙は、どれも差出人から、受取人への想い、怒り、悲しみ、励まし、喜びにあふれ、生半可な気持ちで読むことを許しません。言葉を選び、時間を割き、気持ちを文字に託し、自分と相手に向き合いながら、一心に書き上げられた手紙の数々。副タイトルに『その時代に生きた人々の記憶』とあるように、手紙原本と解説が添えられた「手紙の博物館」です。

かつての奴隷から元主人へ宛てた手紙は、抑制のきいた雄弁な言葉で返した見事な構成です。届かなかった手紙は、物理学者リチャード・ファインマンの妻へのラブレター。月面事故に備えニクソン大統領のスピーチライターが作った宇宙飛行士の家族へのもの。紙でない手紙は、ケネディが大統領になる前、連合軍にココナツの殻に刻んで送ったSOS。おとなが子どもの夢を守るためのものは、サンタクロースの存在を社説にした新聞記者から少女への手紙。偏見が子供の世界を壊すことを危惧した絵本編集者から司書へあてた手紙などがあります。

最後のページを閉じたとき、最初に思い浮かんだ人へ、あなたからの手紙を送りませんか?