ちいさいおうち


バージニア・リー・バートン 文・絵
石井桃子 訳
岩波書店


ずっといなかの丘の上に、「ちいさいおうち」がありました。日々の移り変わり、四季の移り変わりをながめながら、「ちいさいおうち」は静かに幸せに暮らしていました。しかし時がたつにつれて、「ちいさいおうち」のまわりには広い道路ができ、自動車が走り、たくさんのおうちがたち、店もでき、人びとも忙しそうにかけまわるようになりました。「ちいさいおうち」のまわりはすっかりまちになり、「ちいさいおうち」は大きな建物にすっかり囲まれ、住む人も、ふりかえって見る人もいなくなりました。

まちは夜もあかるく、お月さまも星も見えなくなり、四季の移り変わりもわからなくなってしまいました。「ちいさいおうち」は、まちはいやだと思いました。

ところがある日、「ちいさいおうち」に住んでいたおばあさんの孫たちが偶然、「ちいさいおうち」に出会いました。そして「ちいさいおうち」は引っ越しをすることになり…。

この絵本は、1942年にアメリカで生まれ、1954年に日本でも出版されました。もう75年間もの長い間、多くの人びとに読み継がれてきた名作の中の名作でコールデコット賞も受賞しています。

時の移り変わりが絵だけで見事に物語られており、さまざまに深く考えさせられる内容ゆたかなすばらしい絵本で、子供から大人まで感動させられる一冊です。

西脇市図書館 楠本 昌信