おこだでませんように

libra1507
くすのきしげのり・作
石井聖岳・絵
2008年 小学館発行

小さい子どもは、大人が思うよりも、ずっとずっといろいろなことがよくわかっていて、いろいろなことを考えているのだと思います。心の中には、とても公平な考えや、びっくりさせられるほどの他の人を思いやる気持ち、自分なりによくよく考えた末の決断を抱えているのに、それを大人にうまく伝わるように表現する方法がまだ追いつかないのかもしれません。これをしたら家族が喜んでくれた、こんなことをしたら叱られた…という記憶も、しっかりと子どもの心の中には残っていて、同じことを繰り返さないようにしなくてはと思うあまりに、かえって失敗してしまったり。前には確かに同じことをしてほめてもらえたのに、大人の都合やその場の状況で、よかれと思ってしたことが今度は怒られてしまったり。

この本に出てくるのは、家でも学校でもいつも怒られる男の子。「どないしたら、おこられへんのやろ?」「どないしたら、ほめてもらえるんやろ?」「ぼくは…“わるい子”なんやろか…?」と考えます。「ぼく」のほんとうの気持ちはだれにもわかってもらえないままなのでしょうか。

怒られる子どもの気持ちから、いつも怒ってしまう大人まで、心に響く物語です。

丹波市立中央図書館 大森 友子