『星へ行く船』~星へ行く船シリーズ~


新井 素子 著
出版芸術社


森村あゆみ、19歳。〈ちょっとした事情〉で地球を捨て宇宙へ家出中。無事に宇宙船が出航し、地球に別れを告げて個室に向かった。ところが個室には先客がいて…。手違いで怪しい男たちと同室になってしまった。その上、男たちのトラブルに巻き込まれ、殺し屋に襲われたり、砂漠に置き去りにされたりと大騒動。このまま家出を続行できるのか?

ロマンチックSF、星へ行く船シリーズはこうして始まります。『星へ行く船』はあゆみと太一郎の出会いの物語。この後、太一郎の勤め先、火星にある水沢総合事務所(通称・やっかいごとよろず引き受け業事務所)に就職したあゆみは、『通りすがりのレイディ』、『カレンダー・ガール』、『逆恨みのネメシス』と様々なトラブルに巻き込まれ、困難を乗り越え、『そして、星へ行く船』でついに物語りは完結を迎えます。

森村あゆみというひとりの女の子が、太一郎と巡り合い、様々なトラブルに巻き込まれながら、強く素敵な女性へと成長していく物語。テンポのいいストーリー展開。元気に頑張る女の子の活躍。甘酸っぱいラブストーリー。シリーズ通してハラハラ、ドキドキ。

タイトルを見て“懐かしい”と思われた方、そうなんです。昔コバルト文庫で出版されたあのシリーズが単行本となって登場です。著者の新井素子さんはあとがきで、シリーズ再刊にあたり、時代的な齟齬(そご)も出来る限り手直しし、これが「決定版」だ!というつもりで作りました、と書かれています。さらに嬉しいことに、書き下ろし短編が4本も入っています。男の子も女の子もお母さんも、親子二代で楽しめるシリーズだと思います。冒険したい夏にぜひどうぞ。

滝野図書館 藤田